映画『水深ゼロメートルから』濵尾咲綺 インタビュー
特集インタビュー
2024年05月01日 03時59分 更新
映画『水深ゼロメートルから』が、2024年5月3日(金・祝)から新宿シネマカリテほか全国順次公開。
スマッシュヒットを記録した映画『アルプススタンドのはしの方』と同様のプロジェクトから生まれた【高校演劇リブート企画】第二弾作品。高校二年生の夏休みに、水のないプールに特別補習のため呼び出された女子高生達による心の葛藤と解放の繊細な青春ストーリー。
大ヒット公開中映画『カラオケ行こ!』『天然コケッコー』『リンダ リンダ リンダ』など数々の青春映画の傑作を手掛けてきた山下敦弘監督が、第44回四国地区高等学校演劇研究大会(2019年)で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した原作・脚本 中田夢花 の作品を映画化した青春群像劇だ。
濵尾咲綺、仲吉玲亜、清田みくり、花岡すみれといったフレッシュなキャストがメインとして出演。主題歌には、劇伴を手がけたスカート・澤部渡とゲストボーカルとしてadieuが参加した「波のない夏」が本作に彩りを添える。
今回本作で、メイクをしていないと落ち着かないクラスの一軍女子・ココロを演じた【濵尾咲綺】を直撃!雑誌「nicola」専属モデルを卒業後、NHK高校講座「ビジネス基礎」やドラマ、舞台、CMと幅広く出演する濵尾。2021年の舞台からパワーアップした部分や役作りで工夫した部分、足利ロケの思い出のほか、モデルの仕事をしていた時の悩みやプールにまつわる思い出、好きなファッションやメイクでこだわっているポイント、どんな大人になりたいかなど、気になる素顔が垣間見えるお話をたっぷりと語ってくれた!
Q.2021年の舞台でもココロ役を演じましたが、映画化が決まった時のお気持ちを教えてください。
濵尾咲綺(以下、濵尾):もう一度ココロを演じることができて、舞台の時に観に来られなかった方にも映画として全国に公開できるのがすごく嬉しかったです。
Q.舞台からパワーアップしたと思う部分について教えてください。
濵尾:舞台ではセットだったのですが、映画では実際の学校のプールで撮影できたのが大きな違いです。スタッフさんが砂を中に入れてくださって。プールの中なのに砂を踏んでいるというのが、すごく不思議でした(笑)。
舞台の時は、一番奥のお客さんにまで伝わるようにお芝居をしていたのですが、映画はとにかくリアルが大事だったので、共演者のみんなに対して無理せず本当の気持ちで向かい合うことができました。舞台の時とは違ったものができて、ぐっときました。
Q.ココロはクラスの一軍女子という役どころで、自分の思っていることをストレートに伝える女の子です。役作りでどのような部分を工夫しましたか?
濵尾:中学一年生の時からモデルのお仕事をさせていただいていて、学校でも私のことを雑誌で見ている方がいて、ココロみたいに「可愛くいなきゃ」「見られているから気を引き締めなきゃ」と思っていた時期がありました。その部分はココロにも通じるなと思って、そこは生かしながらも、私自身はココロみたいにハキハキ言うタイプではなく、考えてから言うタイプなので、周りにそういう子はいなかったかな?と考えながら、いろんなピースを集めて役作りしました。
Q.山下敦弘監督から言われたことで、心に残っていることはありますか?
濵尾:ココロは意地悪なことや人を傷つけるようなことを言うのですが、監督は「悪意はなくて無邪気なんだよ」ということを前提に、「とにかくココロのテーマは無邪気」とおっしゃっていました。ひどいことを言ってしまうシーンも「無邪気、無邪気」と言いながら、練習して演じました。
Q.先生役のさとうほなみさんと言い合いになるシーンもありますが、演じてみていかがでしたか?
濵尾:一番緊張しました。やはり生徒として先生に向かってものを言うって、それだけでも緊張するというか、自分を奮い立たせないと言えない部分があります。すごく重要なシーンだと思っていたので、このシーンのことを考えながら、家でずっと練習していました。
Q.足利でのロケはいかがでしたか?撮影中の思い出で、印象に残っていることについて教えてください。
濵尾:共演者のみんなと同じホテルで一緒に寝泊まりして、部屋は別だったのですが、朝起きてロケバスで撮影に行って、撮影場所も学校だったので、みんなで学校に通っているような気分でした。日が昇っている間しか撮影ができなかったので、撮影が終わったらみんなで帰って夜ご飯を食べて、大浴場でお風呂に入って、誰かの部屋に集まって、次の日の台本を練習してからおやすみ、みたいな感じで(笑)、本当にみんなと一緒に生活しているみたいですごく楽しかったです。
Q.脚本は、徳島県の現役女子高生の演劇部の方が書いたそうですが、女子高生の書いた脚本についてどう思いましたか?
濵尾:回りくどい言い方をせずに、まっすぐ書かれていると思いました。高校生の力強さというか、恐れずに書いていくという感じが伝わってきて、中田夢花さんの素敵なところだと思います。中田さんは舞台の時によく稽古場に来てくださったので、中田さんから方言を教えていただいたりもしていました。
Q.部活のことや先輩・同級生との関係、メイクや生理のことなど、女子高生のいろいろな悩みが描かれます。濵尾さんご自身は高校生の頃、どんなことで悩んでいましたか?
濵尾:モデルのお仕事をしていて、ココロと同じように「可愛くなきゃ認めてもらえない」みたいに考えていた頃がありました。でもこの作品でココロに出会って「自分のためにメイクをする」というセリフが最後にあるのですが、それは私にもすごく刺さりました。肩の荷が下りたというか、自分を縛っていたものを取ることができた、という感じでした。
Q.演じたココロ以外で共感した人物はいますか?
濵尾:私もついいろんな人を気にかけて、お節介になってしまうところがあるので、水泳部のユイ先輩が、後輩のチヅルに対して悪気がなくいろいろ話しかけたり、心配したりしているのがなんとなくわかるな、と思いました。
Q.先輩後輩の距離が近いのも高校生ならではですよね。
濵尾:そうですよね。一歳しか変わらないのにすごく先輩に感じるのも、高校生ならではかな、と思いました。
Q.濵尾さんご自身は振り返ってみてどんな高校生でしたか?
濵尾:元気に、学校生活を楽しんでいました(笑)。イベントがすごく好きなので、文化祭でみんなと一緒にダンスを踊ったり、応援団に参加したりして、みんなと毎日仲良く学校に通っていました。
Q.濵尾さんご自身のプールにまつわる思い出はありますか?
濵尾:プールは苦手なほうでした。小学校の時泳げる子が多くて、私は泳げないのがすごく悔しくて、友達をプールに呼んで教えてもらっていました(笑)。そのおかげで、クロールで25m泳げるようになりました。
Q.完成した作品を観ていいなと思ったシーンや、青春らしさを感じたシーンについて教えてください。
濵尾:全体的に「青春!」という感じです!プールに制服に野球部の声に蝉の声に、とすごく青春だなと思います。終盤のミクとのシーンでココロが初めて本心、ずっと隠していたことを打ち明けていて、そのシーンがすごく好きですし、舞台とはまた違った表現になっているので思い出深いです。
Q.いろいろな舞台に出演されていますが、舞台の魅力はどのような部分だと思いますか?
濵尾:生の演技を観ることができるので、そこが一番魅力かなと思います。毎公演毎公演、違ったものができるので、ハプニングが起こったりもするのですが、それもなんだかんだ楽しいというか、観た人が逆に特別感があったな、と喜んでくれたりします。笑い声など、その場でお客さんから反応をいただけるのも嬉しいですし、毎公演、違ったものになり、それがすごく楽しいです。
Q.作品を観た人には、どのようなメッセージを受け取ってほしいですか?濵尾さんと同世代の読者に向けて、見どころを教えてください。
濵尾:この作品はとにかく青春が詰まっていますし、メインキャストの4人がいろんな気持ちでいろんな悩みを持っているので、どんな方が観ても、きっと誰かしらに共感できるのではないかと思います。本当に何度でも観てほしいなと思います(笑)。1回目はお話全体を観て、次はココロメインで観てみようとか、次はミクの気持ちになって観ようとか、いろんな人に感情移入しながら楽しんでいただけたらと思います。
ありがとうございました。
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[プロフィール]
濵尾咲綺
2004年1月12日生まれ。神奈川県出身。
「第20回ニコラモデルオーディション」でグランプリを受賞し、雑誌「nicola」専属モデルとしてデビュー。2023年公開の映画『バラシファイト』でヒロインを務めた。2019年から続くNHK高校講座「ビジネス基礎」(NHK Eテレ)に出演中の他、ドラマ「うちの弁護士は手がかかる」(23/CX)、「いちばんすきな花」(23/CX)に出演。また、舞台でも積極的に活動。2023年は、キ上の空論10周年記念公演「幾度の群青に溺れ」(紀伊國屋ホール)やザ・プレイボーイズ「ハロー、妖怪探偵社」(小劇場B1)などの舞台に出演。その他、多くのCMにも出演している。
徳島南高校・2年生の夏休み。
阿波踊りの練習を見られたくない内気なミクとメイクをしてないと落ち着かないココロは、体育教師の山本から水泳の授業の特別補習として水の入っていないプールの掃除を指示された。
そのプールの底には、隣の野球部グラウンドから飛んできた砂が積もっているのだ。渋々砂を掃き始めたふたりと、なぜかそこにいるやけっぱちな水泳部のチヅル、やがてやって来た水泳部を引退した3年の先輩ユイたちの部活、恋愛、 メイクーーー他愛のない会話で放課後の時間は過ぎていく中、徐々に彼女たちの悩みが溢れだし、それぞれの思いは時にすれ違い、時にぶつかり合いながらどこへ向かうのか…?
プールの底から始まる、ヴィヴィッドな青春群像劇。
予告編
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子が読者です。普段はどのようなファッションがお好きですか?
濵尾:着心地がいいものが好きなので、ダボッとした感じの服をよく買いますね。綺麗めカジュアルみたいなコーデがすごく好きです。ダボッとしたトレーナーに、ロングスカートを合わせることが多いので、トレーナーは可愛いものを見つけるとすぐ買いたくなってしまいます。
Q.SGSでは最新のコスメ情報も発信しています。作中でメイクの話も出てきますが、普段メイクでこだわっているポイントについて教えてください。
濵尾:唇がちょっと薄いので、友達と遊ぶ時はリップをオーバーに塗っています。あとは、その日の顔やコーデと相談しながら、こういうメイクにしようかなとか、アイシャドウの色をオレンジか茶色かどうしようみたいに、楽しみながら選んでメイクしています。
Q.「気づいたらたくさん持っているな」と思うメイクアイテムはありますか?
濵尾:アイライナーはいろんな色や種類のものを買ってしまいます。その日の気分に合わせて、ガーリー系だったらアイラインをちょっと垂れさせようとか、ストリートっぽい服装だったらはね上げさせてみようとか、考えてメイクしています。
Q.成人の日にInstagramで振袖姿も拝見しました。濵尾さんは今20歳ですが、これからどんな大人になりたいですか?
濵尾:10代の頃は人から言われたことに対して、それをやらなきゃみたいな使命感がずっとあったのですが、20歳になって、もっと自分のことは自分で考えて動けるようになりたいと思います。
Q.2021年の舞台でもココロ役を演じましたが、映画化…
Q.ココロはクラスの一軍女子という役どころで、自分…
Q.先生役のさとうほなみさんと言い合いになるシーン…
Q.脚本は、徳島県の現役女子高生の演劇部の方が書い…
Q.演じたココロ以外で共感した人物はいますか?濵尾…
Q.完成した作品を観ていいなと思ったシーンや、青春…
Q.作品を観た人には、どのようなメッセージを受け取…
徳島南高校・2年生の夏休み。阿波踊りの練習を見られ…
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好き…
映画概要
【水深ゼロメートルから】
5月3日(金・祝)から新宿シネマカリテほか全国順次公開
CAST&STAFF
濵尾咲綺 仲吉玲亜 清田みくり 花岡すみれ
三浦理奈 / さとうほなみ
監督:山下敦弘
脚本:中田夢花
原作:中田夢花 村端賢志 徳島市立高等学校演劇部
音楽:澤部渡
主題歌:スカート「波のない夏 feat. adieu」(PONYCANYON / IRORI Records)
製作:『水深ゼロメートルから』製作委員会
製作幹事:ポニーキャニオン
制作プロダクション:レオーネ
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
公式サイト:映画『水深ゼロメートルから』
公式X:@suishin0m
公式Instagram: @suishin0m
©︎『水深ゼロメートルから』製作委員会
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